職場で嫌がらせをされる日々からうつ病に、普通の生活に戻るまで
私は小規模な製造業の会社で正社員として事務職に従事していました。
入社して数ヶ月が経ったころ、会社の雰囲気があまりよくないことに気がつきました。
現場と事務所がある職場で現場の人は口調も荒く事務員を馬鹿にしている人が多かったです。
それでも仕事だと割り切って気にせず自分の仕事をこなしていたのですが、なにかと私のことが気に入らなかったようで仕事以外のことでも文句を言ってきたり、根も葉も無いような噂話を広められたりと散々でした。
挙句の果てには事務所まで数人で怒鳴り込んできてみんなの前で1時間近く罵倒され続ける。
私がミスしたなら謝りますが、全部うそばかりでした。
職場は女性が少なく、わたしは当時25歳。
あと2人いる事務員さんは50代と60代の方でした。
年が離れていることもあり相談のしにくく一人で抱えこむ毎日。
女子トイレに安全靴の跡が残っていたり、わたしは使っているコップに男性の陰毛が入っていることもありました。
お盆の連休が終わっり、通常通り仕事を始めたあたりから自分の身体にうつ病のような症状が出始めました。
まず、朝起きることができない。
ベッドから出られなくなりました。
仕事に行こうとすると無気力になってしまい服を着替えることよりも先に会社に電話をし「体調不良でおやすみさせてください」という毎日。
そして眠れなくなりました。
ちゃんと仕事にいけていたころからだんだんと眠れなくなっていたのですが、仕事を休みだして朝起きられないのが余計によくなく、お昼まで寝てしまう、夜寝付けない、また朝が来るの繰り返しでした。
そして、もともと不安症気味で自己肯定感の低いわたしは、愚痴を吐き出す、誰かのせいにできない性格で全部自分が悪いと思ってしまい自分を攻め続けていました。
怒りを誰かにぶつけられなかった、ぶつけることができなかったのでその矛先が自分に向いてしまいイラッとしたら感情を抑えられず自分の腕を殴ったり、ひたすら足を殴ったりと精神的におかしくなっていました。
今まで仕事の為に頑張ってきたのはなんだったんだろう、この先また新しい仕事についてうまくできるのか、休んでいる間にお給料が発生しないので生活をどうしたらいいんだろう、と不安がピークに達してしまい、友人の勧めもあり診療内科に初めていきました。
心療内科は初診予約制でカウンセラーさんが話を聞いてくれました。
カウンセリングを受けて初めて自分の気持ちではなく、感情に気がつきました。
「辛かったですよね」といわれ頭の中では疑問が浮かんでいました。
「わたしは辛かったんだ」と。
その感情にすら気づかずにいたのです。
その時涙が溢れてきました。
カウンセリングが終わり先生の診察。
気分を良くする抗うつ剤、そして睡眠薬を処方されました。
あと「もう職場の環境が変わらない限り仕事に行くことはできないでしょう」と休養のための診断書を書いてくれました。
そこでやっと今まで張り詰めていた気持ちが楽になり、今の仕事をやめて、しっかり身体を元に戻して新しく仕事を探そうと前向きになれました。
薬以外にも、インターネットでもうつ病の改善方法などを調べて実践しました。
私が実践したのは「朝起きたら太陽の光を浴びる」です。
これなら簡単にできお金もかからないので。
あと「好きなことをやる」でした。
仕事をしていないと世間から置き去りにされたような気持ちになり後ろめたかったのですが、この気持ちを排除して自分の好きなことをやりました。
発病してから元の生活に戻るまで、1年は時間がかかりましたが、新しい仕事も見つかり今まで通りの生活ができています。
鬱=甘えという意見もありますが、体が動かなくなってしまう前に自分を守ることも大切だと思いました。
身体を壊してしまうと仕事にも行けず、生活にも影響が出ます。
自分の感情を置き去りにしないで些細な感情にも目を向けてあげる。
精神的に強い人ばかりではないので、弱い自分なりに自分の心を他人事のように捉えてあげることができれば少しは楽になれる気がします。