30代男 教育自習で学んだこと

広告代理店で営業をしている30代男性です。
人生が変わった体験は、大学生時代に経験した教育実習での出来事です。
将来の夢もなく、公務員になったら親も喜ぶだろうくらいの軽い気持ちで教師を目指し教育学部に入学しました。一般的な大学生と同じように授業とサークル、アルバイトに明け暮れて楽しく過ごし大学3年生時に教育実習へ行きました。実習先は大学付属の小中学校で1年を通して実習生がいるような環境でしたので、子どもたちも実習生慣れしており緊張しながらも授業計画を立て教壇に立って授業をして忙しい日々でした。正直そこまで真面目に実習に取り組んでおらず、授業よりも子どもたちと遊ぶことがメインになっていて授業の内容はグダグダでした。中学での実習時、実習の最後に研究授業といって他の先生や同期の実習生、大学の担当教授等たくさんの人が見学に来る授業があるのですが、その1つ前の授業があまりにグダグダ過ぎて実習先の担当教諭に叱られました。もっともなことで怒られたのですが落ち込んでしまって研究授業へのやる気を完全になくしていましたが、その様子を察知した担当クラスの子どもたちに「研究授業は自分たちが盛り上げるから、どんな内容でもいいから元気にやればいいよ~」と声をかけられました。子どもたちは研究授業に偉い人やたくさんの先生が見学に来ることを知っていて、やる気をなくした自分を助けてくれました。授業開始の挨拶は子どもたちと事前に打ち合わせをして「いつもの授業やっちゃうぞ~」「イエーイ」というコールアンドレスポンスから始まり、授業中こちらの質問にはクラスみんなが挙手してくれたりと内容はともかく楽しく騒々しい授業になりました。見学に来てくれは方から、いつもこんな感じなの?の聞かれ事情を説明するのに苦労しました。こんな授業は見たことがない、子どもたちから好かれているからできることだと実習担当教諭や大学の担当教授から言われ、全部子どもがやってくれたことですと嬉しくて泣きながら答えました。
いろいろあって結局教師にはなりませんでしたが、今でも実習でのこの出来事は一緒に実習にいった大学の友達と会えば話題になりますし、ふと思い出したときには涙ぐんでしまいます。
子どもたちの圧倒的なパワーと、全力でぶつかってきてくれた優しさは忘れることができません。
授業の形を整えたり、難しいことを教えることを大切ですが一緒に楽しい時間を共有することの大切さと、そこで生まれる絆の強さを教えてくれた時間になりました。
人それぞれ、合う人合わない人がいると思いますが嫌なところを見つけて嫌だなと思うのではなく、良いところを見つけて楽しいなと思って付き合うことでお互いにハッピーな気持ちになれるんだとわかった思い出です

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