パワハラ部長、社員に訴えられて倉庫番!嬉しさ半分、哀れみも!

僕は四十代の会社員です。会社では営業の仕事をしています。
去年まで僕がいた部の部長が絵に描いたようなパワハラ上司だったんです。そのパワハラ上司の下で僕は五年も仕事をしていました。我ながらよくまあ、五年も耐えたよなと思ってしまいますね。
その上司、とにかく気分屋。機嫌が悪い時は近寄らない方が正解なんです。顔が険しい時は下手に話しかけると、いろんな言いがかりをつけられてすぐに怒鳴られます。月末も本当に最悪でした。営業成績が達成出来ないと、職場全体に聞こえるほど大きな声で怒鳴られます。自腹を切って売り上げ稼げとか、借金して自腹を切れなんて事さえ言われます。ある時は、部長の目の前で親戚全員に電話をして我が社の製品を今すぐ勝ってもらえなんて言われる事も。その部長、同じ職場で結婚をした夫婦に対し、いかに旦那が仕事が出来ないか奥さんの方に嫌がらせのメールを入れたんです。そのメールの内容が実にひどい物でした。旦那の人格を否定したり、夫婦を完全に馬鹿にする内容でした。
やっぱりそのメールは夫婦のこの上ない怒りを買ってしまったんですね。夫婦はそのメールを手にすぐに弁護士に相談に行きました。すると弁護士は記者会見を開き、パワハラ上司のそれまでの悪行三昧を世間に公表したんです。僕の勤めている会社はそれなりに知名度があります。そんなパワハラの見本市みたいな話は瞬く間にマスコミに取り上げられました。なんでも会社の広報には世間から抗議の電話が殺到したらしいです。それにその年の新卒採用は応募者が大激減です。
さすがに会社もこれには困ったようですね。パワハラ上司は会社からとことん突き上げられたようです。僕たち他の社員も会社からパワハラ上司の被害に遭ってないか、ヒアリングを受けました。もちろん、僕も山梨の縁切り神社に行ったあとに、自分が今まで受けたパワハラの事を全部話しましたけどね。
それからパワハラ上司はすぐに異動になったんです。異動になった先は、会社のグループ会社で、在庫を管理する倉庫会社に出向でした。しかも出向先では部下はいなく、広い倉庫の中に机を1つ置かれて一日中そこに座っているというもの。ある時、所用があってその倉庫に行った同僚がその元上司を見かけたそうです。そこには以前のような強気な上司の姿は微塵もなかったようですよ。広い倉庫にポツンと一人で座って下を向いていたようです。少しは反省してるんでしょうかね。
その話を聞いた時、僕の心の中では嬉しさももちろんありましたが、一方で哀れみやちょっと気の毒な気持ちもありましたね。まあ、人間、間違った事はしちゃいけないという事です。僕もその元上司を反面教師にして正しく生きて行こうと強く思いました。

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